英王室のウィリアム皇太子(41)が18日、2日間の日程で単身で米ニューヨークを訪問した。環境問題に対する意識が高い皇太子が、2020年に設立した気候変動など地球が直面する最大の危機である環境問題の解決に取り組む人たちを表彰する「アースショット賞」のサミットに出席するのが目的で、昨年12月にボストンで開催された同賞授賞式に出席して以来の米国訪問となった。今回は、キャサリン皇太子妃は同行しておらず、英国の自宅で3人の子どもたちと共に過ごしていると米ピープル誌は伝えている。

ニューヨーク入りした皇太子はさっそく、ニューヨーク港に浮かぶガバナーズ島を訪問。港の水質を浄化し、カキの養殖を再生させることを目的としたプロジェクトを見学。ボランティアや地元の高校生たちと対面し、野球帽にライフジャケットを着用して一緒に海の中を歩いて養殖されているカキを手に取って確認する様子が報じられた。皇太子は気軽に記念撮影にも応じるなど、子どもたちと交流する場面も見られた。サプライズ訪問を受け、高校生たちは「VIPが来るとは聞いていたが、バイデン大統領ではなく、ウィリアム皇太子が来て驚いた」などと話していた。

カキの養殖を見学した後は、国連総会のため各国の要人が集まる国連本部を訪れ、グテーレス国連事務総長と会談。気候変動との闘いを加速し、環境保護のために必要な取り組みについて話し合ったという。環境問題に関するトップレベルのロビー活動を行うため、滞在中には環境活動家や慈善家、ビジネスのリーダーとの面談が予定されているという皇太子は、19日には11月7日にシンガポールで開催される今年のアースショット賞授賞式に向けて行われるサミットに出席し、今年のファイナリストを発表する。サミットには、キャロライン・ケネディ駐オーストラリア米国大使やアンダーソン元ニュージーランド首相らも特別ゲストとして出席すると伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)