「別れても好きな人」などで知られるムード歌謡グループ「ロス・インディオス」でリーダーを務めた棚橋静雄(たなはし・しずお)さんが、19日に多臓器不全のため、埼玉県内の病院で亡くなっていたことが22日、関係者への取材で分かった。85歳だった。最近は病気療養中だったという。
「ロス・インディオス」は、棚橋さんを中心に1962年(昭37)に結成。ジャンルは歌謡曲からラテン音楽までこなし、ムード歌謡全盛期に人気を博し、79年に女性歌手のシルヴィアさんとのデュエット曲「別れても好きな人」が大ヒット。「コモエスタ赤坂」「知りすぎたのね」などもヒットし、80~82年にはNHK紅白歌合戦に3年連続で出場した。
最近は、リードボーカルの棚橋さんをはじめ、パーカッション東郷太郎、ギター三崎一平の3人で活動。17年には、NGT48のシングル「世界はどこまで青空なのか?」の収録曲「抱いてやっちゃ桜木町」で中井りかとデュエットもしていた。
22年も結成60周年を迎えたが、今年7月には、棚橋さんが高齢を理由に今後のグループ活動を中止するにあたって「ロス・インディオスの名前と楽曲を後世に残してゆきたい」との意思によって、日本歌手協会が現メンバーや旧メンバーとともに新たな人材を発掘する新メンバーオーディション開催を発表していた。