来年7月の退団を発表した宝塚歌劇団の月組トップ、月城かなとが26日、大阪市内のホテルで、退団会見を開いた。劇団の木場健之理事長とともに、金びょうぶの前で、卒業を決意した経緯、劇団への思いを語った。

ベージュがかかった白系スーツに、グレー基調のストールを着けて現れ「最後まで男役としてまっとうしたいと思います」と語った。

トップ就任の依頼を受けた際「歴代の月組のトップスターの名前を拝見して、自分だけの名前ではなく、どうやって組につないでいくのがベストなのか」と考えていたといい、「早い段階で5作でと決めていた」。

その中で「できる限り、月組をいい状態にして」と考えていたと語った。

また、木場理事長は「コロナ禍での就任、厳しい中で、月組トップとして重責を果たしてくれた」とたたえた。

月城は09年入団で、星組トップ礼真琴、8月に退団を発表した花組トップ柚香光らと同じ95期生。抜群の美貌と、ノーブルな立ち姿で、下級生時代から注目され、深みのある芝居、安定した歌、宝塚の伝統的な「美」を継承する踊りと、芸を磨いてきた。

雪組から月組へ移り、21年8月、相手娘役に海乃美月を迎え、月組トップに就任。95期から礼、柚香に続く3人目のトップ誕生となった。95期トップとしては柚香に続く退団となる。

22年1月「今夜、ロマンス劇場で」で本拠地お披露目。サヨナラ公演は、来年3月29日に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「Eternal Voice 消え残る想い」「Grande TAKARAZUKA 110!」。同公演の東京宝塚劇場千秋楽をもって退団。本拠地5作で退く。

トップ娘役の海乃も同時退団し、添い遂げる。