役所広司(67)が、黒柳徹子(90)の自伝的代表作を初映像化するアニメ映画「窓ぎわのトットちゃん」(八鍬新之介監督、12月8日公開)で大野りりあな(7)演じるトットちゃんが通うトモエ学園の校長を演じることが26日、分かった。TBS系ドラマ「VIVANT」など話題作への出演が相次ぐ役所にとって、映画の公開作は今年4本目だが、演じた小林宗作さんは義理の母も指導を受けた恩師という運命の役となった。また黒柳と親交のある小栗旬(40)杏(37)滝沢カレン(31)も出演する。

   ◇   ◇   ◇

役所は「声の仕事は本当に難しいのでちゅうちょしましたが、台本を読ませて頂きとても感動しましたし、戦争を子どもたちがどう感じていくのかは普遍的なテーマ。たくさんの方に観て頂きたいなと」と、オファーを受けた経緯を明かした。その上で、演じた小林先生との縁を明かした。

「妻の母親が小林先生にリトミック体操というのを教わった経験があり『素晴らしい先生だ』という話はよく聞いていました。お会いしたことはありませんが以前から存じ上げていた」

小林宗作さんは大正時代に留学した欧州で、スイスの音楽家エミール・ジャック=ダルクローズが提唱した音に合わせて体を動かすなどの音楽教育法「リトミック」を学び、日本に紹介した先駆者。1937年(昭12)にトモエ学園を創立した幼児教育の権威だ。役所は「演じさせて頂くことを、非常に光栄に思っています」と感慨を語った。

今年の役所は、進境著しい。主演映画は「ファミリア」「銀河鉄道の父」が公開され、カンヌ映画祭(フランス)男優賞を受賞した「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)の公開を12月22日に控える。Netflixでは主演ドラマ「THE DAYS」が配信され「VIVANT」では主人公乃木憂助の父ベキ役で話題をさらった。“運命の役”を得て、さらに光り輝く。