俳優の稲垣来泉(12)が、フジテレビ系で10月10日スタートの連続ドラマ「時をかけるな、恋人たち」(火曜午後11時)に、吉岡里帆(30)演じる主人公常盤廻(ときわ・めぐ)の幼少期役で出演することが27日、決定した。

「時をかけるな、恋人たち」は、劇団ヨーロッパ企画の上田誠代表の脚本による完全オリジナルSFドラマ。吉岡演じる令和の時代を生きる廻が、永山瑛太(40)演じる未来からやってきたタイムパトロール隊員・井浦翔(いうら・かける)と出会い、特命を受けて違法なタイムトラベラーを取り締まり、過去と未来のつじつま合わせに奔走する中、恋に落ちる。かつて2人とは時をかけて恋に落ちた恋人同士だったが、廻はその記憶を消されていた、という物語。稲垣が演じる廻の幼少期は、物語の“鍵”となる役どころだ。

稲垣は出演が決まり、コメントを発表した。

「吉岡里帆さん演じる常盤廻の幼少期を演じさせていただきます。つい胸がきゅーんとなってしまう行動をとる女の子です。撮影はとても楽しく、吉岡里帆さんと永山瑛太さんの掛け合いがとても面白くて思わず笑ってしまいました。休憩時間には吉岡さんと永山さんと一緒に昼食を食べたり、変顔大会を開いたり、笑いっぱなしです! 最初に『時をかけるな、恋人たち』というタイトルを聞いたときは、どんなドラマなのかわくわくしていましたが台本を読んで、想像できない展開でとても面白くて、早く次が読みたい!となりました。幼少期廻の感動しているところや将来の夢に向かって頑張っているところなど、廻はいろんな感情を見せてくれるので、それを皆さんにちゃんと伝わるような演技ができるように、と思って頑張りました。ぜひ見ていただけるとうれしいです!」

稲垣は、4歳で子役として芸能人生をスタートし、5歳で出演した16年のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で、吉本実憂が演じた水田たまきの幼少期を演じた。19年の「スカーレット」では、福田麻由子が演じた川原家の三女・百合子の幼少期を、さらに22年の「ちむどんどん」でも、黒島結菜が演じたヒロイン比嘉暢子の幼少期役を、それぞれ演じ、いずれもその演技力が高く評価された。

稲垣の名が一躍、評判を呼んだのが、19年のフジテレビ系ドラマ「TWO WEEKS」で演じた、青柳はな役だ。三浦春馬さんが演じた主人公・結城大地と、比嘉愛未が演じた元恋人・青柳すみれとの間に生まれた娘で、白血病を患っているという難しい役どころだった。はなの骨髄移植の手術が2週間後に迫る中、ありもしない殺人事件の容疑者として逮捕された大地が、はなの命を救うための逃亡するという、物語の上でもキーパーソンとなる役どころだったが、チャーミングなルックスと演技力で注目の的となった。翌20年のフジテレビ系ドラマ「姉ちゃんの恋人」最終話にゲスト出演した際、着用していたコートのポケットから「TWO WEEKS」で大地とはなをつなぐアイテムだった、ぬいぐるみのレッピーが見えていたことが、視聴者やファンの間で話題を呼んだほどだった。

22年は「ちむどんどん」に加え、TBS系日曜劇場「オールドルーキー」で、主演の綾野剛が演じた新町亮太郎の長女・泉実を演じ、その評価をさらに高めた。そして4月1日に、同作で母の果奈子を演じた榮倉奈々(35)と、元サッカー日本代表の新町がセカンドキャリアを歩み始めたスポーツマネジメント会社「ビクトリー」社長の高柳雅史を演じた反町隆史(49)唐沢寿明(60)川口春奈(28)杉咲花(25)らが所属する、大手芸能事務所・研音への所属が決定。「周りの方に感謝を忘れず、より一層、大切にお芝居に向き合い、役に寄り添い、観てる方を感動させる事のできる俳優さんにいつかなれるように頑張ります!」と抱負を語っていた。

◆稲垣来泉(いながき・くるみ)2011年(平23)1月5日生まれ。これまで出演した主なドラマは、16年のTBS系「砂の塔〓知りすぎた隣人」、18年の同系「この世界の片隅に」。出演した主な映画は、同年の「人魚の眠る家」、19年「人間失格 太宰治と3人の女たち」、20年「糸」、21年「そして、バトンは渡された」。

◆「時をかけるな、恋人たち」常盤廻(吉岡里帆)は広告代理店でアートディレクターとして働き、後輩から慕われ、仕事では“つじつま合わせ”が大得意。でも、恋となると、いつもあらゆる“一線”を超えられず、ほんのり恋心を抱いていた会社の後輩・広瀬航(西垣匠)にも思いを告げられず「恋に落ちたい…」と人知れずヤケ酒で涙する。そんな中、未来からやってきたタイムパトロール隊員・井浦翔(永山瑛太)と出会う。実は、大学時代にタイムパトロールで23世紀の未来から来ていた翔と出会ってしまい、時をかけて恋に落ちながら、その記憶を消されており、思いを募らせて時を超えて、未来から再び会いに来た翔のことを全く覚えていなかった。

廻は特命を受けて、翔と一緒に違法なタイムトラベラーを取り締まることになる。歴史を変える恐れがある違法トラベルは重大な罪で、タイムパトロール基地ではオペレーターの天野りおん(伊藤万理華)、メカニック担当の八丁堀惣介(シソンヌじろう)、隊長の和井内秀峰(石田剛太)が目を光らせ任務に当たる。それでも廻は恋の事情を抱えて、時空を超えて、時をかけてでも未来から令和の時代にやってきて“恋に生きようとする恋人たち”に心動かされ、時にはつじつまを合わせて彼らの悲恋を実らせていく。そして、いつも後回しにしてきた自分の恋をかなえるため、時をかけて人生の恋のつじつま合わせに奮闘する。