お笑いタレント、陣内智則(49)が初の単独アジアライブツアーを開催中だ。
11月19日の上海公演を皮切りに、12月3日には台北公演を終えた。同17日にソウルでフィナーレを迎える。近年、海外進出に力を入れつつある所属の吉本興業の流れにも乗ったもので、言葉の壁も越えなければならない陣内のツアー成功は、今後の吉本芸人たちの良いお手本になるような気がしている。
そもそも海外公演は今回が初ではなく、11年の単発でのソウル公演をはじめ、14年に米ラスベガス、16年には米ロサンゼルスでも実施した。当時もツアーとして他都市をめぐるプランもあがっていたがそれ以上は行わず。本人いわく「日本でやっていくことに必死だった」ことが理由だという。
最後の海外公演から約7年。コロナ禍も乗り越え、今年でデビュー30周年、来年2月には50歳も迎える節目に、陣内は決断した。映像などを見ながらひたすら突っ込む特徴的なネタは変えない。本人からはかつてよりも「海外でもウケる」という自信が増しているように感じた。
YouTube視聴の時代が到来し、字幕付きのネタ動画が海外の人でも簡単に見られるようになった。2020年からは中国の動画配信サービス「bilibili」(ビリビリ)でもネタ動画配信を始め、好評を得ている。一部は自分で中国語で語る場面もあり、努力の跡もうかがえる。 実際、上海と台北公演は11月に入った段階ですでにチケット完売。陣内も「日本の方が苦労する感じで」と苦笑いしつつ「日本のお笑いへのリスペクトがすごいんですよ。サインや写真くださいと言われたり、『エンタの神様』やYouTube見てますと言われたり。自分をすごく好きでいてくれる人たちがチケットを買って集まってくれる感じですね」。
期待に応えようと、今回も中国と韓国出身の知人をそれぞれ講師として言葉も猛特訓した。「字幕を入れたり、8本くらいやるうちの2、3本は現地の言葉でやろうと思ってます」。英語では先にオチを言わないといけないため「(米国では)もっとウケるのにな、という悔しさがあった」と語る。中韓は「英語よりは文法的に日本語と近いのでまだやりやすい」と分析していた。
強い海外志向があるわけではないという。「節目のお祝いとして、自分にしかできないことを考えた時に、海外でのお笑いライブかなと思いました。お金のためでもない。またやってほしいと言ってもらえたら、近いし行きやすいからそれはいいよねといった感じですね」。話を聞いていると「自分がやらねば」という責任を感じて動いているようにも見えた。
ツアー名は「Unlimited」。高校の同級生とのコンビ「リミテッド」としてデビューした頃がよぎったといい、名付けた。今回のツアーでどんな“限界突破”した姿が見られるのか。聞いてみると「いやいやいや、どうなんですかね。それは難しいですね。結局、海外から戻ってきても日本のステージに立った時はちゃんと緊張してますしね」と笑っていた。
台北公演には妻のフジテレビ松村未央アナウンサー(37)も応援に駆けつける予定だと語っていた。家族らにも支えられてめぐる初ツアー。「これまで海外に行った芸人は言葉を使うネタをしている人はあまりいなかったと思います。そういった意味で、パイオニアになれたらなとは思っています」。ラブコールがあれば、またいつだって向かう。日本の「お笑い」を世界に発信すべく、陣内はまだまだ動き続ける。【松尾幸之介】



