直木賞作家今村翔吾氏(39)が19日、宮崎県椎葉村(しいばそん)で“秘境の文筆家”構想を発表した。

代表理事をつとめる「一般社団法人ホンミライ」と、「日本3大秘境」の一つの椎葉村(黒木保隆村長)で「作家育成プロジェクト連携協定」を締結。作家を目指す50歳以下の人ならプロ・アマを問わずに誰でも応募ができ、書くことが仕事で家が与えられ、給料をもらえるというユニークなシステムの誕生だ。

同村の交流拠点施設「katerie」2階大会議室で行われた記者会見の終了後、今村氏は椎葉村役場地域振興課・小宮山剛氏とYouTubeの生配信に出演。視聴者の質問、疑問に答えた。

「僕が作家を目指す立場なら絶対、応募します。僕自身もアルバイトしながら小説を書いていたので、その大変さはよく分かります。その点、今回は書くことが仕事です。(ソフトバンク・ホークス)育成出身の千賀滉大が大リーグのニューヨーク・メッツに入るようなイメージかな。熱意のある人はぜひ、応募してください!」と熱く呼びかけた。

今村氏が「平家落人伝説」もある同村を初めて訪れたのは2022年(令和4)6月。日本全国47都道府県を車で巡る「まつり旅」の途中だった。

総務省肝いりの「地域おこし協力隊」として同村ではすでに28人が暮らしているが、今回は「まつり旅」がつないだ縁を生かし、今村さんが中心となって作家を育成、地域興しを行うという画期的なプロジェクトだ。

応募の条件は400字詰め原稿用紙で400~500枚の作品で、未発表か発表済みかは問わない。22日に募集がスタートし締め切りは3月31日。7月1日に晴れて“秘境の文筆家”が着任する。