第66回(23年度)ブルーリボン賞(主催・東京映画記者会=日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)の授賞式が8日、東京・霞が関のイイノホールで行われた。コロナ禍以降、見送ってきた授賞式を4年ぶりに開催し、「怪物」(是枝裕和監督)で新人賞に輝いた黒川想矢(14)が登壇した。
マイクの前に立った黒川は「ちゃんと考えてきたんですけど全部真っ白に…」と緊張の面持ちで、懐から取り出した紙を読みながらスピーチを行った。
「監督が求めている演技が何なのか、それをどう表現したらいいのか分からず悩みながら過ごしていた。周りが見えておらず、すごく是枝組の皆さんに迷惑をかけたと思います」と回想。「公開後は多くの方からお褒めの言葉をいただき、経験したことのないようなすばらしい景色を見せていただいた。僕はあの苦しく、皆さんに迷惑をかけっぱなしだった撮影の日々を忘れてしまい、1人でこの役をやり遂げた気になってしまいました」と語った。
「時が経ち、いろいろなことに気づかされました。(共演した)安藤(サクラ)さんは雑誌で僕のことを『バリバリって音がして何かが出てきた』と言ってくださった。それは僕が1人で破ったんじゃなくて、皆さんが撮影中に一生懸命たたいてくださって、僕が最後にぶち破っただけだったんだと思いました。これからは撮影の時に皆さんからいただいた宝物を大事にして頑張っていきたいと思います。そして、たくさん学んだことについて自分なりに答えを出せるようにこれからも悩んでいきたいです」と真っすぐな瞳で語った。
司会の倍賞千恵子(82)は「すごくすてき」と感嘆し、同じく二宮和也(40)も「ちょっと、後に続く大人たちも頑張って」と笑顔。助演男優賞の佐藤浩市(63)は「初々しい。僕も40数年前に新人賞をいただきまして。でもこんなに初々しくはなかったな。自分で考えたものをしたためてここに来た彼は、すごく真面目ですばらしいなと思います」と絶賛した。



