「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」など、日本を代表する少年漫画の第一人者として知られる、漫画家の鳥山明さん(とりやま・あきら=本名同じ)が、3月1日に亡くなった。68歳だった。連載していた「週刊少年ジャンプ」(集英社)の公式サイトで8日、発表された。

鳥山明さんが35年間通った飲食店のマスターが8日、TBS系「ゴゴスマ」(月~金曜午後1時50分)に出演。「ドラゴンボール」が発表される前に主人公孫悟空を描いたサイン色紙をマスターに渡していたことが分かった。

お店は創業44年の地元ファミリー層にも人気で、デカ盛りメニューでも知られる「店麺多房あいうえお」(名古屋市天白区)で、正面入り口から入ると、いきなり「Dr.スランプ」アラレちゃん、ガッちゃんや「ドラゴンボール」孫悟空などのイラストの描かれた鳥山さんのサインが掲示されている。マスター永田達義さん(72)は「(鳥山さんの)助手になられた方が常連だった」と鳥山さんとのきっかけについて語った。

そのアシスタントになった常連さんは漫画家志望だったが、「Dr.スランプ」のキャラクターの自作フィギュアで何かのコンテストで金賞をとったという。受賞記念として会う約束を取り付けずに鳥山さんの自宅に行ってサインを求めた。

鳥山さんに会うことができてサインももらえたが、その際鳥山さんに精巧な仕上がりを気に入られて「このフィギュアをもらえないか」と交渉されたが、受賞した作品でもあるので丁寧に断ったという。

その縁もあって鳥山さんから「ボクもつくってみる」と連絡をもらい、その後、漫画を3次元で作品にした技量を買われてアシスタントとして迎えられたという。正式にアシスタントに雇われたことで「私が常連で通っているおいしいお店があるから行きませんか」と鳥山さんが永田さんの店に通うようになったという。

永田さんによると、1984年に「Dr.スランプ」の連載を終了し、次回作の構想を練るために中国を旅行して、帰国してから店に寄って「次回作はこういうのにする予定なんだ」と幼少期の孫悟空のラフ画に鳥山さんのサインが書かれた色紙を見せられ、そのまま寄贈してもらえたという。その年の年末に週刊少年ジャンプで「ドラゴンボール」の連載がスタートした。

入り口にはマスターの似顔絵も掲示されている。なお、掲示されているのはコピーされたレプリカで原画は大事に保管されているという。

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