上方落語の定席・天満天神繁昌亭(大阪市北区)で12日、第18回繁昌亭大賞を受賞した桂吉坊(42)ら各賞受賞者による「受賞記念ウイーク」の発表取材会が行われた。

吉坊は5月6~12日、繁昌亭で記念高座に登場(午後1時30分開演、以下同じ)。「ゴールデンウイーク明けは客足が鈍ると聞きましたが、多数の先輩も出てくれますし、お客さんが『楽しかったなあ』と帰る際に感じてもらえるような会にしたい」と意欲。

繁昌亭奨励賞受賞の桂福丸(45)は5月27日~6月2日。「7日間やらせてもらいますが『1日だけでも楽しい』『7日間見ても楽しい』と思ってもらえるような内容を目指します」と意気込んだ。

繁昌亭大賞新人賞の桂米輝(39)は3月25~31日。「自分は中トリを務めさせてもらって、楽しみであり、怖くもあります。7日間、必死で頑張ります」と約束した。

23年度NHK新人落語大賞受賞の桂慶治朗(39)は4月22~28日。「いつもは二つ目なのに、トリを任せてもらえるとは、身に余る光栄。思い入れのあるネタを用意します」と抱負。

3月9日に開催されたR-1グランプリでは街裏ぴんく(39)が新チャンピオンに就いたが、米輝もR-1出場経験がある。「2分で新作落語をやりましたが、時間制限もあって持ち味を発揮できなかった。また、いずれ挑戦するかもしれませんが」と落語家がR-1に参加することの難しさを語った。

今回のR-1では、1、2回戦がネタ時間2分。準々決勝以降は4分だった。福丸も自分のスタイルとR-1を比較して「陸上競技でいえば、短距離が得意な選手もおれば、マラソン選手もいる。誰にも向き不向きがあって、短距離(R-1)はわたしに向いてないんです」と語った。

吉坊も「2分では僕がやりたいことができないんです。文化的なものを競わせることに疑問があるので、コンクールが苦手なんです」と見解を語った。

R-1の「R」には「らくご」の意味もあり、桂文枝前上方落語協会会長の時代から、積極的に挑戦を呼びかけていた。