とろサーモン久保田かずのぶ(45)が自身初の自叙伝「慟哭の冠」(KADOKAWA、1760円)を出版。発売当日の21日、インタビュー取材をさせていただいた。

おじさん記者にとって久保田と言えば“毒舌芸人”だが、同書はそのイメージを覆す内容だった。久保田に限らず、我々がメディアで見ている姿が全てではないし、中には演じてる部分もあるだろう。だが久保田の場合、その差があまりにも大きく、「これって大丈夫なのかな?」と心配するほどだった。

インタビュー当日、その疑問をぶつけると「実は前の記者さんにも同じことを言われたんです」という。おじさん記者だけがそう感じたわけではないことが、図らずとも確認できた。

その答えやオンラインカジノ、交際中の彼女の件など、NGなしで語ってくれた。その内容はニッカンスポーツコムのインタビュー記事【前編】【後編】を参照して欲しい。このコラムでは、そこで書き切れなかったことを紹介したい。

まずは、今のお笑い界についてだ。久保田のデビュー当時、露出機会は劇場とテレビしかなかった。だが今はYouTubeをはじめとするSNSなどがある。「自分が輝く媒体がすごくあって、若手もすぐに名前を覚えてもらえる環境があるのはいいこと」とした。だが「弊害があるとすれば、競争がなくなったこと。以前はこの2つしかなかったから、そこに出るまでの競争があった」という。

また、「それと種類が増えた分、似たようなやつが増えているというこもありますよね」とした。その中で個性を発揮する方法を聞くと「貫き通すこと」と宣言。「他と別格で突き抜けることができればいい」とした。自身の考え方を「他人と比べることで自分を磨けばいい」とし、「勝負できるのは本当に自分しかないです」と力説した。

SNS情報に踊らされがちな現代社会にも警鐘を鳴らした。「見たもの、聞いたものを全てうのみに信じるのではなく、まずは少しでも疑ってみることが大切だと思うんです」。自らを「実際に会ってもその人を100%最初から信じるような人間ではない」とし、「みんなが自分に対して幸福を与えるような社会なんて、あるわけがないんです。だから疑う。疑うってことは調べる。調べることで真実が出る。真実は何かといえば、証拠証明なんです。そこで初めて分かることじゃないですか」と熱く語った。「だから『ちょっと疑ってみたら』って思っちゃうし、『まずは自分の頭で考えようよ』って思うんですよね」。

インタビューを終えたおじさん記者の頭の中には「どっちが本当の久保田さんなんだろう」という疑問が生まれたが、その答えは「どっちも久保田さん」ということだ。【川田和博】