反トランプ派として知られる米俳優ロバート・デ・ニーロ(82)が23日、米ABCテレビの深夜トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ!」に出演し、右派政治活動家の射殺事件を巡る司会者ジミー・キンメル(57)の発言によって放送が中止されていた番組の再開に関わった。
キンメルは、トランプ米大統領に近いチャーリー・カークさんが射殺された事件をめぐり、大統領の支持基盤であるMAGA(マガ=米国を再び偉大に)派をやゆするような発言をして物議を醸し、17日にABCが放送を無期限に休止すると発表していた。
急転直下で番組復帰したキンメルは冒頭、観客の大歓声で迎えられると感情をあらわにしながら自身を支持してくれた人たちへの感謝の言葉を述べた。
そして、自身の発言については「若い男性の殺人を軽視する意図はまったくなかった」「暴力は解決策ではない」と釈明。「この番組が重要なのではない。大切なのは、こういう番組の存在が許される国で、私たちが暮らせること」だと述べ、改めて言論の自由を訴えた。
保守派の反発によってこの日の番組はABC系列局の約20%で放送されていないことを指摘したキンメルは、ABCに圧力をかけた連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員長に番組出演を依頼したと述べると、デ・ニーロ演じる「新」FCC委員長がビデオで登場。
ABCで放送されているトーク番組「ザ・ビュー」の共同司会者ウーピー・ゴールドバーグを電話で脅迫する場面が映し出された後、キンメルが「FCCはマフィア的手法で言論を弾圧しているようだ」と指摘すると、映画「ゴッドファーザー」シリーズなど多くの映画でマフィア役を演じきたデ・ニーロは「今、俺に何て言ったんだ?」とマフィアになりきって威圧。「紳士的に黙れと言っている」「言論はもう自由じゃない」と脅した。
デ・ニーロはその後も、「大統領の美しい黄色い髪の毛をほめるとか、どんな女性よりもメークが上手だとか、何か良いことを言うならそれは自由だ。しかし、太ってるから(性的人身売買の罪で起訴されて拘留中に自殺した)エプスティーン(元被告)の飛行機で席が2つ必要になるとかのジョークを言いたいなら、それは高くつくぞ」とトランプ大統領をやゆして会場を盛り上げた。
番組が放送中止となったことを受け、同業の深夜トーク番組の司会者やハリウッドスターたちが続々とキンメル支援を表明し、ABCの親会社ディズニーをボイコットするよう呼びかける抗議デモも広がりを見せるなど「言論の自由」を巡る大論争に発展。ABCは22日、番組の放送再開を発表するに至った。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)



