ドラム、和太鼓、しの笛などをあわせた異色のバンド「宝道」が25日、都内で、結成20周年記念アルバム「Ember Before Flame」リリースツアーの最終公演を行った。

同バンドのメンバーはドラマーの藤井修(65)、主に和太鼓の杉山貴瑛(38)、主にしの笛の永井孝太郎(28)。20年前の結成当初は打楽器集団で、ボランティア活動を中心に活動してきた。現在は男性3人、女性2人の5人体制だが、3年ほどまえから現体制でバンド活動を行っている。

永井と杉山は今回が初ツアー。小柄な永井が「ツアーを回って、大きくなって帰ってこようと思ったけど、全然大きくなっていない…」と自分の身長を示すと、会場は笑いに包まれた。「なので、今日は音で成長したところを見せられればと思います!」と意気込むと、会場の笑いは拍手に変わった。

藤井のドラムをベースに和太鼓、シャンベによるスリリングな演奏。西洋のドラムと和楽器というシンプルな構成が生み出すビートは、来場者の血を湧きたたせるのか、自然と手拍子が起こった。

そんな“血湧き肉躍る”ようなビートにしの笛が優しい一筋の光を落とす。言うなれば“静と動”が宝道の魅力だ。その実力は会場の“アンコール”の声が証明した。

この日、アルバムに収録された「Half Time」や、各メンバーのソロなど全10曲に加え、予定になかったアンコールにも応えた。ツアーファイナルの最後は、藤井の師匠でもある樋口宗孝さんを思わせる“シンバル乱れ打ち”で締めた。

藤井にとって杉山と永井は弟子でもある。ライブを終えた藤井は「良い経験になったと思う。実際にステージに立つことが一番の成長」とし、「音楽は耳で聞くものではない。毛穴で感じるもの」とした。

杉山は「本当に良い経験だった。演奏していて見えるお客さんの顔がうれしかったし、皆さんがよろこんでくれるおかげで力になった」。永井は「今回ツアーが出来たのは支えてくれたスタッフさんや、来てくださったみなさん、そして師匠修さんのおかげです」とし、「必ずこれを次につなげていきます」とアピールした。

藤井にとって同ツアーは昨年8月、61歳で早過ぎる死を迎えた盟友、“NoB”こと山田信夫さんへの追悼でもある。「NoBが導いてくれた気がする。NoBにも感謝したい」とした。