北村匠海(28)が、映画「君の話」(中川龍太郎監督、11月27日公開)に主演することが28日、分かった。
ヒロインを演じる出口夏希(24)とは、初共演したフジテレビ系4月期の月9ドラマ「サバ缶、宇宙へ行く」で教師と教え子を演じたが、今作では北村が大学生、出口が主人公の記憶の中にしか存在しないはずが、現実世界に現れる幼なじみを演じ、純愛ラブストーリーを紡ぐ。
映画は作家・三秋縋氏の、18年の同名小説の実写化作品。脚本は、NHK連続テレビ小説「虎に翼」などで知られる吉田恵里香氏が手がけた。北村が演じる千尋は孤独に生き、不幸な過去を忘れるため記憶を消す治療を受けたが、目覚めても記憶は消えず、会ったこともない幼なじみとの初恋の思い出が残されている役どころだ。
制服姿の場面もある。北村は「初日が制服のシーンだったのですが、個人的には久々に制服を着て、鏡を見ながら『さすがに、もう着れないな…』と思っていたのですが、監督が僕ら2人の芝居を見てすごくキラキラした目をしていたから、信じても大丈夫と思った記憶があります」と、1月から2月まで行った撮影を振り返った。そして「『映画を作る』ということを、まっすぐにやれたような感じがしています。誰しもが持っている記憶の中で美化されている思い出を肯定してくれる作品になるんじゃないかなと思っています」と作品を評した。
出口が演じる灯花は、千尋の作られた記憶の中にしか存在しないはずが、ある日、現実世界に現れ「君は誰だ?」と戸惑う千尋に「幼なじみのこと、忘れちゃった?」と無邪気に笑いかける。「ラブストーリーは高校生役以外でやったことがなかったのですが、今回はちょっと大人な役ですごく楽しみにして現場に臨みました。撮影は本当にあっという間で、早く感じたということは楽しかったということなんだと思います」と撮影を振り返った。
北村と出口、中川監督と原作の三秋氏のコメント全文は以下の通り。
▽北村匠海 (2カ月の撮影は)“映画を作る”ということを、まっすぐにやれたような感じがしています。監督やスタッフさんと話し合いながら、1日1日をちゃんと過ごしていって、「こうしたほうがいいかもしれないですね」とか「ここでこうだとこうですよね」とか、独り言ではなくて、ちゃんとチーム全体で、時間をゆっくり使って撮影することができたと感じています。
(撮影中、印象に残ったのは)初日の撮影が制服のシーンだったのですが、個人的には久々に制服を着て、鏡を見ながら「さすがに、もう着れないな…」と思っていたのですが、監督が僕ら二人の芝居を見てすごくキラキラした目をしていたから、信じても大丈夫と思った記憶があります。
登場人物全員、すごく寂しさを抱えている物語です。だからこそ、「人と人ってこうやって分かり合うよね」とか、「こうやって抱きあうよね」とか、「こうやって手をつなぐよね」とか、そういった優しさがすごく詰まっている作品になっています。“あの学校生活、マジで楽しかったよな”とか、“あの時のあの恋人、忘れられないんだよね”とか、誰しもが持っている記憶の中で美化されている思い出を肯定してくれる作品になるんじゃないかなと思っています。ぜひとも映画館でご覧ください。
▽出口夏希 ラブストーリーは高校生役以外でやったことがなかったのですが、今回はちょっと大人な役ですごく楽しみにして現場に臨みました。撮影は本当にあっという間で、早く感じたということは楽しかったということなんだと思います。
監督と北村さんが『灯花の役はすごく難しい役だから』と、私が灯花を演じやすいように、やりやすいように…と調整してくださっているのを見て、本当に北村さんがいてくれて良かったなと感じた現場でした。
この映画は真冬の季節に撮影しました。冬の海やイルミネーション、肉まんを二人で分け合ったり、お家で温かい時間を過ごしたり。「君の話」は千尋と灯花の優しくて切ないお話です。2人がなぜ出会ってどんな結末を迎えるのか、皆さまに劇場で温かく見守ってもらえたらうれしいです。
▽中川龍太郎監督 映画の撮影は楽しいことばっかりじゃなくて、大変なことも必ずあるのですが、今回の「君の話」は、本当にずっと楽しいことばかりで終わってしまうのが寂しいなあという気持ちでした。
(北村)匠海くんとは十年以上前からご一緒したいという思いがお互いある中で、今回やっと一緒にやることができました。僕も匠海くんも、演出オタクというか、演出や芝居についての話が大好きなので、ずっとそんな話をしていました。現場では“カメラの前の監督”のような感じで常にみんなを引っ張ってくれたし、僕のことも引っ張ってくれた。現場でもたくさん話をして、俳優と監督という関係を超えて、親友のような存在になれたことがとてもうれしかったです。
(出口は)輝きがすごかったです。出口さんともたくさん話し合いながら作りました。人としてすごく魅力的な方で、俳優としても集中力や瞬発力が素晴らしく、これから日本を代表する女優さんになっていくだろうなという感じがして、本当に貴重なタイミングで撮らせていただいたなと感じています。泣きの芝居も多くて大変だったと思いますが、常に明るく撮影に臨んでいる姿が印象的でした。
▽三秋縋氏 作家というのは自分の書いた物語の第一の読み手である一方で、それを他の作家によって書かれた物語を読むような純粋な気持ちで読むことは決してできない存在です。作品が世に出て何年経とうと、本を開いた瞬間に頭のどこかで反省会が始まってしまいます。
ですが、物語が自分以外の誰かの手によって別のかたちに置き換えられたとき、僕らはそれをようやくひとつの物語として無邪気に楽しめるようになります。僕の書いた物語って僕以外にはこんなふうに見えていたんだ、と新鮮な視点で物語に触れられるようになるのです。
そういった意味では、僕は今回の映画化を通じて初めて「君の話」を体験するということになるのかもしれません。特報を観て「へえ、なんだか僕好みで面白そうな映画だな」と人ごとのように思ったりしています。1人の観客として、まっさらな気持ちで『君の話』という映画と出会える日を楽しみにしています。



