テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)の大越健介キャスターは、広島に原子爆弾が投下されてから81年となった6日夜の放送で、高市政権が検討する「非核三原則」の見直しに関して、唯一の戦争被曝(ひばく)国としての日本の覚悟を見極める上で、「重要な試金石になる」との見解を示した。
番組では、この日広島市で行われた原爆死没者慰霊式・平和祈念式に出席した高市早苗首相のあいさつや、その後の会見の発言を伝えた。高市首相は、あいさつの中で、「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則について、最近の歴代首相と表現を変え、「堅持している」という現状の説明にとどめ、将来的な堅持は明言しなかった。高市首相は、首相就任前の著書などで、三原則のうち「持ち込ませず」については、米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」の実効性を低下させるとして、見直しを持論として訴えてきた。式の後の記者会見で、非核三原則の見直しについて問われた際には、「予断することは差し控える」として言及しなかった。
一方、番組はこの日の放送で特集企画として、かつて沖縄が米国統治下にあったころに、「核が持ち込まれていた場所がある」として、「今も残る核兵器の痕跡」を報道。特別な許可を得たとして、今も残る基地の残骸を取材した際の様子などを伝え、なぜこうした状況が生まれたかについても検証をまじえながら報じた。
VTRの後、大越氏は「核が置かれた沖縄の歴史。核をめぐっては、まだまだ検証すべき事実が多いことを思い知らされます」と、特集企画への感想を口にしながら「一方、弱肉強食を思わせる大国の振る舞いが目立つ今の時代の危うさが際立ってきているのもまた、事実です」と、紛争が絶えない現在の世界についても触れた。
その上で「世界にまん延する不信をやわらげ、戦争にブレーキをかけるという点で、唯一の戦争被爆国である日本は、最も強い説得力を持つ国のひとつでもあります。では、そこにどれほどの覚悟をもって臨むのか」と、日本政府の立場に言及。「非核三原則の扱いをはじめとする、高市政権の安全保障政策の見直しは、その覚悟を見極める上で重要な試金石になります」と指摘した。
今年末に予定される安全保障関連3文書の改定で、非核三原則の見直しの是非は、大きな焦点となっている。



