米音楽界最高の栄誉、グラミー賞のうち、音楽産業への貢献をたたえる各賞の授賞式が9日、ロサンゼルスで行われた。優れた技術を表彰する「テクニカル賞」の今年の受賞者は、音楽機器メーカー、ローランド(浜松市)の創業者、梯郁太郎さん(83)。次男でパーカッション奏者の郁夫さん(51)が代理で出席。

 テクニカル賞は1998年にソニー、2007年にヤマハが受賞しているが、個人の受賞は日本人では梯さんが初めて。

 ローランドなどは1983年、キーボードなど電子楽器の演奏情報をコンピューターや他の楽器にデジタル伝送する世界標準規格「MIDI(ミディ)」を発表。梯さんはMIDIを通じて電子楽器の世界を広げたと評価された。

 梯さんは授賞式に先立ち「MIDIは最初はなかなか理解してもらえず(発表から)30年かかってやっと認められた。これからも今の仕事をやっていきたい」と意欲を語った。梯さんのインタビューはローランドのウェブサイトに近く掲載される。