6代桂文枝(70)の15番目の弟子でカナダ人落語家桂三輝(サンシャイン=43)が7日、東京・カナダ大使館で、カナダ、米国20都市を回る北米巡回公演を発表した。

 三輝は6年前、文枝の落語を聴き、英語に翻訳して故郷のトロントで披露したところ、爆笑。文枝に師事することを決め、日本文化の勉強から修業してきた。文枝によると、三輝は着物姿で土下座して弟子入り志願したといい「日本人でもこんなことしない」と驚いたという。三輝は「師匠の影を踏むな」と言われ、忠実に守りすぎたゆえ、夕方になり影が伸びると、どんどん文枝から離れて歩いた逸話を持つ。そんな生真面目な弟子の悲願の凱旋(がいせん)に、文枝は「三輝が私の落語を世界に広めてほしい」と期待していた。

 北米ツアーは8月29日のシアトルを皮切りに、10月5日にトロントで千秋楽を迎える予定。