NHKラジオ第1「ラジオ寄席」(日曜午後4時5分)で他局の音源が無許可使用された問題で、無断使用は100件を超える可能性があることが3月31日、分かった。

 この日、TBSラジオ「早起き名人会」元プロデューサーで演劇評論家の川戸貞吉氏(70)らが会見して明かした。収録音源と言わずに提供していた、「ラジオ寄席」の司会で横浜市の大衆芸能専門館「横浜にぎわい座」館長の玉置宏氏(74)は司会を降板したが、川戸氏は「一番悪質なのは玉置さん。1度は『横浜にぎわい座館長を辞任します』と明言したのに、その後、横浜市側から慰留されたからと撤回したのはおかしい。責任を取ってすべての要職を降りるべき」と主張している。

 NHKは27日に会見し、2月10日放送で、87年に「早起き-」が放送した8代目林家正蔵「大仏餅」を収録した音源を関係者に使用許可を得ないまま放送したことを公表していた。

 96年開始の「ラジオ寄席」は玉置氏が所蔵するCD、テープを紹介する趣旨の番組だが、川戸氏によると、現在確認しただけで無断使用の本数は18本あるとした上で「100本を超える可能性もある」。TBS以外のテレビ・ラジオ局のものもあるという。川戸氏は「収録した音源で音源提供料をもらっている。落語を食い物にしており、放送人として許せない」と話した。