AKB48の新曲「GIVE

 ME

 FIVE!」(2月15日日発売)のミュージックビデオ(MV)が34分の長編になることが26日、分かった。1980年代以降に大ヒットしたフジテレビ系ドラマシリーズ「北の国から」を手掛けた演出家、映画監督の杉田成道氏(68)がメガホンを取った。異例の長編MVでは、定時制高校を舞台にした青春ドラマが丁寧に描かれる

 「GIVE

 ME

 FIVE!」は、22日に行われた「リクエストアワー

 セットリスト100」で初披露された。グループにとって初のバンド形式で、前田敦子と高橋みなみがギターに初挑戦。大島優子が高校時代に経験したベース、柏木由紀がドラムを初めてたたいた。26日レコチョク着うたデーリーランキング初登場1位を獲得するなど、シングル発売前から反響は大きい。

 MVでは、定時制高校に通う生徒が自分を変えたい一心で軽音楽部に入部し、それぞれの思いを抱えながら卒業式を迎えるまでを描く。前田は親が離婚し、弟と離れ離れに暮らしながら中華料理店でアルバイトをしている設定。大島は家の借金を返すため、年を偽り、風俗で働く設定など、人物像は細かく決められた。

 杉田監督は81年から20年以上放送された名作ドラマシリーズ「北の国から」を手掛けたほか、10年映画「最後の忠臣蔵」を手掛けるなど、家族の絆をモチーフにした丁寧なドラマ作りに定評がある。MVは青春ドラマであるとともに、友情、家族の絆や人物像などをすべて凝縮して盛り込むべく、実績と確かな手腕を持つ杉田監督に白羽の矢が立った。

 そして、丁寧な人物描写で知られる杉田監督は、MVにしては異例の長さともいえる34分間の作品を完成させた。バンドで同曲を歌うシーンが、クライマックスシーンになる。関係者は「丁寧な人物描写には、少なくともこれだけの長さが必要だった」と説明。杉田監督自身も「驚かされたのは彼女たちのドラマセンスの良さで、のみ込みが早く、体のキレも良く、確かな青春ドラマになりました。特にバンドの場面では短い時間の中で、演奏の完成度を見せたのは驚嘆すべきものがありました。心に響く青春群像になったのではないかと思います」と仕上がりに自信をみせている。