厚生労働省と小林製薬は29日、健康被害のあった「紅こうじ」製品を同社が解析した結果、想定していない物質の「プベルル酸」が検出されたと明らかにした。青カビから産生される天然化合物で、腎臓への影響は不明としている。今後、他の含有物質の有無も含め国立医薬品食品衛生研究所(国衛研)で検証を進める。

厚労省によると、プベルル酸は抗生物質としての特性がある。抗マラリア作用が報告されており、毒性は非常に高いという。担当者は原因物質である可能性について「一定程度あるが、網羅的に検討していく」と説明。プベルル酸が含有された経緯は今後調べるとしている。

小林製薬は、健康被害のあった製品ロットについて「高速液体クロマトグラフ」で分析し、物質を同定。国衛研がデータなどを精査し、確認した。小林製薬は製品サンプルについて過去3年分を保管しているといい、国衛研は順次提供を受け分析する。

22日に健康被害の問題を公表した同社は「紅こうじ原料に想定とは異なる成分が含まれていた可能性がある」としていた。原料は同社の大阪工場(大阪市、昨年12月閉鎖)で製造されていた。(共同)