米大統領選は日本時間のあす9日、いよいよ投開票される。民主党のヒラリー・クリントン元国務長官(69)と共和党のドナルド・トランプ氏(70)が最終盤まで大接戦となり、米メディアも情勢を見通せない中で、最後に勝負の鍵を握るのは、「隠れトランプ票」になるとみられる。

 最終盤の大接戦の要因になったクリントン氏の私用メール問題で、再捜査を行っていた連邦捜査局(FBI)のコミー長官は6日、従来の方針通り、訴追しない方針を表明。クリントン氏の支持率は、FBIの再捜査着手後に急落し、トランプ氏に逆転された調査もあったが、6日の主な世論調査は、クリントン氏が4ポイント前後リード。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」集計の平均支持率は、6日時点でクリントン氏が1・8ポイント上回り前日よりやや差を広げた。

 しかし、米国民には世論調査にトランプ氏支持を明言しない「隠れトランプ票」が、一定の割合で存在するとされる。トランプ氏は、FBIの訴追見送りに関し、ミネソタ州の演説で「クリントン氏は不正な制度に守られている」と批判。逃げ切りを狙うクリントン氏に対し「歴史的大逆転」への望みを捨ててはいない。