東京都の小池百合子知事は2日、都議会本会議で行われた代表・一般質問で、築地市場の豊洲移転の可否について決断を急ぐよう、主要会派に迫られた。早期移転を求める自公両党だけでなく、移転中止を訴える共産党も、早期決断を求める点では足並みが一致。豊洲問題をめぐる「超会派の小池包囲網」が敷かれた。

 小池氏と敵対し、早期移転を求める自民は「1日500万円の維持費や業者の補償を合わせ、(税金投入は)100億円以上といわれる。賢い支出を表明する知事に自責の念がないのか疑問だ」と批判。小池氏と協調する公明も「早急に明確な判断を示すべきだ」と指摘した。共産は「市場業者の反対の声を受け止め、移転中止を決断するよう強く求めたい」と追及した。

 小池氏は「市場を無害化する約束は果たされていないが、世の中にゼロリスクはないという考え方もある」とした上で、「総合的に判断する」と従来の答弁を繰り返し、明言を避けた。共産党は納得せず、再質問に立ったが、小池氏は「総合的に判断するのが私の姿勢だ」と、かわした。

 質疑では、自民党が小池氏を容赦なく攻撃し、激しいやじも完全復活。自民党への離党届提出の経緯を「『決められない知事』の象徴だ」と指摘された小池氏は、「区議の処分はさっさとしてたのに、私の処分はそのままだった」と、党側の対応を批判して応戦した。質疑後、小池氏は「自民党もだいぶ、元に戻られたと思う。かつて、やじ問題で取りあげられたことをほうふつとさせる」と指摘し、敵対心をあらわにした。【中山知子】