将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が21日、大阪市の関西将棋会館で指された王将戦予選で若手実力者の澤田真吾六段(25)を破り、歴代1位の連勝記録となる神谷広志八段の28連勝(87年)に並んだ。

 連勝記録1位で並んだ藤井四段と神谷八段は、ベテラン棋士から勝ち星を稼いでいるという共通点がある。勢いに乗っている若手の伸びしろの方が、タイトル争いとは縁遠くなった人たちの経験値に勝るケースが多いからだ。

 藤井四段の場合、さらにアドバンテージがある。神谷八段が連勝記録を達成した当時に比べ、加古川青流戦や上州YAMADAチャレンジ杯といった、若手限定の公式戦が増えたからだ。アマチュア強豪や女流棋士にも門戸を開放しているから、実力差の違う相手なら勝てる確率も高くなる。

 「藤井フィーバー」はますます過熱するだろう。元週刊将棋編集長で、大商大アミューズメント産業研究所主任研究員の古作登氏(54)は、「若いスター棋士の台頭は喜ばしい。ただ、将棋界はタイトルを獲得し、それを防衛してこそ一流。名人を獲得し、それを防衛してこそ超一流。やはり、名人を目指してほしい」と話した。