内田氏が仕切ってきた自民党都連の手法を「ブラックボックス」と批判してきた小池氏。内田氏の名前は出さなかったが、「忖度(そんたく)や、しがらみだらけ、一部の利益団体にだけ向かう議会はもうやめよう」と主張。「知事を代えて、次は議会を変える番。古い議会を新しく。決めるのは皆さんだ」と促した。

 千代田区は、内田氏が区議時代から40年以上地盤にしてきた。都議の議席は1つ。小池氏はドンの議席を奪還し、「代理戦争」にケリをつける腹づもりだ。

 一方、都知事選、系列候補を擁して惨敗した区長選では表に出なかった内田氏も、今回ばかりは、積極的に街頭に。中村氏が決めたイメージカラーと同じ、黄色のシャツを着用。「私は運動員としてここに立っている」と述べ、バックアップに並々ならぬ思いを示した。

 内田氏は、小池氏の政治手法をはっきり批判した。「政治や地方自治の専門家にも、分かりにくい選挙。今、小池知事は(知事と都議がチェックし合う)二元代表制を、一元にしようとしている。とうてい容認できない」と批判。「私は(知事に)ものを言える都議会自民党に、誇りを持っている」と、支持を訴えた。

 千代田の結果は、2期目に入る小池都政にも少なからず影響を与える。鍵を握る激戦区だ。【中山知子】

 ◆千代田区(ちよだく)東京都23特別区の1つ。1947年(昭22)に麹町、神田両区が合併して成立。区域の大部分は江戸時代の武家屋敷跡で、中心に皇居がある。JR東京駅西部一帯は日本の経済、情報、通信の中枢。霞が関は中央官庁街。面積11・66平方キロ。今月1日現在の人口は6万0681人。