将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が2日、デビュー30戦目にして初黒星を喫した。東京・千駄ケ谷の東京将棋会館で行われた第30期竜王戦決勝トーナメント2回戦で午後9時31分、101手で先手の佐々木勇気五段(22)に敗れた。公式戦初の日曜対局で、6月26日に自身が達成した最多連勝記録は29でストップ。

 勝敗を分けたのは食後の1手? 今年5月の「世界コンピュータ将棋選手権」で優勝した将棋ソフト「elmo(エルモ)」の戦況分析によると、序盤はほぼ互角の戦い。だが40分間の昼食休憩直後、藤井が飛車で横歩を取った32手目から先手の佐々木有利にグラフが傾き始めた。再びグラフが大きく動いたのは夕食休憩前に佐々木が打った49手目。藤井が互角に戻したかに見えたが、休憩後、藤井が飛車を中段に構えた50手目で再び佐々木が優勢に。その後は佐々木の右肩上がりとなった。

 ▼elmo(エルモ) コンピューター将棋ソフト名。今年5月に行われた第27回「世界コンピュータ将棋選手権」で、大会連覇中だった「Ponanza Chainer(ポナンザ チェイナー)」を下すなど決勝リーグを7戦全勝で制して初優勝。開発者は都内在住の会社員、滝沢誠さん(34)で自身は将棋は指さない。