自民党は7日、事前審査の場で政府案への異論や批判が相次いでいる再審制度の見直しに向けた刑事訴訟法改正案をめぐる議論のため、法務部会・司法制度調査会合同会議を、党本部で開いた。
再審開始までの長期化を防ぐためとして、弁護士資格を持つ稲田朋美元防衛相らは検察の不服申し立て(抗告)の全面禁止を求めてきた。この日の会議で法務省側は、検察抗告の「原則禁止」を、刑事訴訟法の「付則」に盛り込む内容の再修正案を示したが、議員側の納得は得られず、この日も最終的な結論には至らなかった。
議員側は、「原則禁止」であっても、「付則」ではなく、法律の本体である「本則」に明記するよう求め、折り合わなかった。出席者によると、司法制度調査会長の鈴木馨祐前法相に対し、「本則」への明記を求め、鈴木会長は「全力を尽くしたい」と表明したといい、あらためて合同会議を開いて結果について報告がなされることになった。柴山昌彦元文科相は「ちゃんと報告をしていただかないと、党内手続きを踏むことは許されない」と、くぎを刺した。
また、長年、再審制度見直しを訴えてきた鈴木宗男参院議員は「抗告禁止を本文(本則)に入れることで、鈴木会長が全力を尽くすという話があった。内閣法制局とも話さないといけないということで、もう1回会議を開いて結論を出すということだった」と述べ、「我々が要求していることは抗告の禁止であり、それが本則に盛り込まれないといけない。本則に入れることが絶対条件というのが結論。鈴木会長はそれを受け、法務省に指示をするし、しかるべき相談をし、また部会を開くということだった」と訴えた。
今回の改正案は、本会議や委員会の質疑に高市早苗首相が出席する「重要広範議案」に指定されているが、当初政府が目指した4月上旬の国会提出からは約1カ月遅れている。鈴木会長はこの日の会議冒頭のあいさつで、「重要広範議案」であることを念頭に、「会期末は7月の中旬で、いまは5月上旬。時間ということも、政府与党としてはしっかり考えていかないといけない状況だが、同時に、しっかりした法案をつくっていくことも、政府与党の大きな使命だ」と呼び掛けた。
高市首相は4日、外遊先で報道陣の取材に応じた際、「与党内審査の議論も踏まえ、できる限り速やかに法案を提出するよう準備を進めたい」と、早期の法案国会提出に意欲を示したが、おひざ元の自民党内の意見がまとまらず、もし国会提出が見送られるようなことになれば、高市政権にとっても大きな痛手となる。

