東京都の築地市場の豊洲移転問題で「築地女将会」が25日、都内の日本外国特派員協会で記者会見した。移転後に築地市場跡地を更地にして2020年東京五輪・パラリンピックの駐車場とすることに、メンバーの新井真沙子さんは「東京五輪が仲卸の職場を奪おうとしている。どうか助けてください」と涙ながらに話した。

 5年後に築地を再開発する案について、山口タイ会長は「(1度豊洲へ行けば)戻って来る業者はないだろう。戻る体力はもたない」とし、移転反対を訴えた。

 小池百合子知事は都議選告示直前の6月20日、豊洲移転をし、築地は5年後を目途に築地を「食のテーマパーク」とする基本方針を発表した。

 同会は水産仲卸業者の女性で結成された。今月中旬には豊洲市場を視察。新井さんは「豊洲に希望の光もメリットもない。使い勝手の文句を言えばきりがない」と力を込めた。

 豊洲市場には大きく7つの問題があると指摘。(1)土壌汚染(東京ガス工場跡地)、(2)立地計画(卸、仲卸、青果棟が分断されている)、(3)建物機能(荷物配送車の通路不足など)、(4)建物構造(床の積載荷重不足)、(5)交通(公的交通機関がゆりかもめだけ)、(6)衛生(床を洗う水の排水機能が不足)、(7)費用(冷房管理費の増大)。山口会長は「移転などないと確信している。小池さんを信じている」と語った。