2020年東京五輪の聖火リレー出発地に名乗りを上げている宮城県石巻市の関係団体が22日、東京都の小池百合子知事と鈴木俊一五輪相に要望書を提出した。同県の村井嘉浩知事は東日本大震災において同市が死者3552人、行方不明者425人(7月末現在)の被害を出したことを受け「震災のシンボリックな被災地は石巻市だと思っている」とし「ぜひ出発地に」と要望した。

 都庁で要望を受けた小池氏は「この件が是非、成功できることを願っている」と前向きに話した。ただ、聖火リレーの検討は大会組織委員会の役割。昨年、ボート会場を宮城県長沼へ変更すると提案した際、組織委側と考え方がすれ違った経緯があり「私から伝えるのが良いのか、悪いのか分かりませんが、しっかり伝えたい」と語った。内閣府で面会した鈴木氏は「熱い思いをしっかり受け止めた」と述べた。

 しかし、実際に聖火リレーを検討する組織委には要望を拒否された村井氏ら。村井氏は「我々はサッカー競技の開催地で仲間ですよね。県民、石巻市民を代表して要望に来ているのに、はねつけるのは非常に残念。ただ(組織委は)聖火リレーについては誘致合戦にならないよう、どこにも会わないとのことなので、しっかり外堀を埋めようと、このような行動になった」と話した。

 このタイミングで要望に訪れた理由を問われ「一部報道で石巻市の名前が出て(組織委の)森会長が『名前が挙がったところにはできない』と言ったと聞いた。心配になったので来た」と説明した。