民進党代表選(9月1日投開票)に出馬した前原誠司氏(55)と枝野幸男氏(53)は23日、日刊スポーツなどのインタビューに応じ、「立て直しのラストチャンス」(前原氏)「どう生まれ変わるかだ」(枝野氏)と、そろって党の現状に強い危機感を示した。衆院初当選同期でカラオケ仲間、鉄道とアイドルを愛するオタクと、共通点の多い2人が初対決。ただ蓮舫代表の唐突な辞任劇もあり、盛り上がりはいまひとつ。前原氏は、海外視察のキャンセルにまで見舞われた。

 蓮舫代表が就任10カ月で辞任表明し、急きょ決まった代表選。経験豊富な2人の戦いは安定感の半面、「新鮮味がない」と揶揄(やゆ)される。「安倍1強」を倒せなかった野党第1党に、さらなる追い打ちの緊急事態。党員・サポーターの厳しい視線を受け止める2人は、代表争いの前に、選挙自体に関心を集めるところから走り始めている。

 当初予定した海外視察を取りやめ、キャンセル料10万円を支払ったという前原氏は「昨年、蓮舫さんは圧倒的人気で選ばれた。わだかまりはあると思うが、身内が盛り上がらないと国民も注目しない」と話す。「党を立て直せるか最後のチャンス。遠心力がはたらく中で期待を高めるのは難しいが、自民党以外の選択肢がないのは民主主義の不幸。使命で戦う」と述べた。

 枝野氏も、「皆で選んだ代表を支えられなかった。リーダーが代わり、急に党が良くなるというような、生やさしい考えではいけない。党全体がどう生まれ変われるかだ」と主張。「私に代表経験はないが、そばで見てきたからこそ分かることもある。正直者がばかを見ない、党のガバナンスをつくりたい」と訴えた。

 前原氏は、メール問題で半年で代表辞任に追い込まれた苦い経験がある。「当時は肩に力が入り、代表は先頭に立つべきと思っていた。今はいちばん後ろでいい。全員野球で活躍の場をつくりたい」と、考えの変化を強調。常に「分裂含み」といわれる党内への目配り力も、問われそうだ。

 撮り鉄・前原氏と、アイドル好きの枝野氏。「思い切りがいい」(枝野氏)「レベルが高い政治家」(前原氏)と認め合うが、相手が勝った場合の対応については、答えが異なった。「自分は運がいいと信じている」と述べつつ、「言われればどんな役割でもやる」という枝野氏に対し、前原氏は「今は自分の勝利しか考えない」と話した。

 2人のカラオケの締めはいつも、枝野氏が歌う「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ子)だが、前原氏は「今回(勝利の)鐘を鳴らすのは私だ」と対抗心がにじんだ。【中山知子】