「ひふみん」こと、将棋棋士の加藤一二三(ひふみ)九段(77)が、あなたのお悩み相談に答えます。

 14歳でプロになり、今年6月に引退するまで63年間、勝負の世界に身を置いてきました。敬虔(けいけん)なキリスト教徒として30歳で、洗礼も受けています。生きる厳しさと、聖書の教えをベースに、指導対局ならぬ、人生指南をしてくれます。毎週水曜日に掲載します。

 

<質問>

 20年前に離婚しました。ギャンブルが好きで借金も抱え、今は迷惑をかけたと思っています。還暦を過ぎると寂しいものです。25歳の娘がいます。年に2~3回会いますが、親がいない子どもにも「悪いことをした」と反省しています。元妻も年を取り、時々電話も来ます。今なら謝って、一緒に暮らしてもいいかなという考えもあります。どう思いますか。(63歳男性会社員・新潟県)

<解答>

 質問から察する限り、元に戻られたらよろしいのではないでしょうか。復縁できそうな可能性が感じられます。電話で連絡を取り合えるというのは「脈あり」です。もし、再び両親が一緒に暮らせるようになるのなら、今まで寂しい思いをしてきたであろう娘さんも、きっと喜ばれると思います。

 いくつになっても「反省する」「自らの人生を省みる」というのはいいことです。その瞬間から、成長が始まります。決して遅すぎることはありません。いくらでもやり直すことはできます。

 確かに若いころはお互いに相手の欠点ばかりが目立って、それが気に入らず、相手を悪く言ったこともあったかもしれません。よく考えてみれば、自分のことは棚に上げているのですが。年を重ねていろいろな人生経験をして、お互いに和解して、歩み寄ろうと踏み出しているのでしょう。

 これから先に希望が持てると思います。今、63歳ですよね。高齢化社会へとひた走る日本の平均寿命から考えれば、まだまだ先は長いです。残されたたくさんの年月は、元の奥さまと折り合って手に手を取って、共に歩んでいくことです。元に戻ったらそれでよしとするのではなく、よくなかったことへの反省を基にしてお互いのことを認め合い、尊重しながら、助け合っていってください。そうすれば、幸多き人生が待っていることでしょう。

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