新潟4区では、自民党公認の金子恵美氏(39)と、野党統一候補の菊田真紀子氏(47)が、伯仲の一騎打ちを演じている。2012、14年の衆院選でも激しい接戦を演じた2人は17日、菊田氏の応援に自由党の森裕子参院議員(61)、金子氏の応援に野田聖子総務相(57)が入る重厚なタッグマッチに発展。菊田氏が「ここで負けたら死んでも死にきれない」と訴えれば、金子氏も「徹底的に決着をつける」と意気込んだ。
女性4人の舌戦がヒートアップした。金子氏の応援に駆けつけた野田氏は「私の妹分。娘じゃないですよ。何より大切に思っている人です」とあいさつ。聴衆から大きな拍手が上がった。野田氏は安倍首相にももの申す強い女性とされるが、「私は金子さんほど強い女ではない」と“謙遜”。郵政解散で主張を通し、自民党を離党した無所属時代の選挙を振り返り、「この選挙区の相手は無所属。私もある時、自民党から追い出されたが、無所属では政治の仕事はできません」と菊田氏を攻撃した。
また、金子氏の夫で昨年のゲス不倫報道で議員辞職した宮崎謙介氏(36)の騒動を念頭に「金子さんほど苦労した女はいない。この苦労はいつか人のためになる。母となり、現場を知っている金子恵美に仕事をさせてやってください」と呼びかけた。金子氏の応援には、この日の野田氏のほか、初日の10日に自民党の二階俊博幹事長、12日の安倍晋三首相、14日の伊吹文明元衆院議長、16日に中曽根弘文参院議員ら重厚なメンバーが続々来県。金子氏は「なぜかといえば、金子が危ないからです」と、一層の支持を訴えた。
一方、かつて金子氏を党の言いなりの「お人形さん」と酷評した菊田氏は「おんぶに抱っこに肩車だ。自分の足で、自分の力で戦ってみてはいかが」とバッサリ。「この戦いは菊田1人の戦いではない。みなさんの戦いだ」と強調した。
新潟4区は12年衆院選で初出馬の金子氏が8万票を獲得し、6万6000票の菊田氏に勝利。続く14年衆院選では、金子氏の7万7000票に対し、菊田氏が7万4000票と迫ったが敗れた。しかし、今回の選挙は様子が違う。新潟は昨年の参院選で自公候補を野党統一候補の森氏が破り、さらに昨年の県知事選でも、野党統一候補の米山隆一氏が初当選。今回の衆院選でも原発ゼロの旗印で、野党共闘の力が背水の陣の菊田氏を支え、安倍政権に一石を投じるつもりだ。
金子氏は2期で総務大臣政務官も務め、地元にも予算をつけた実績を前面に出し「無所属では地域への還元もない。仕事ができる、役に立つ候補を選んでいただきたい」と声を上げた。一方の森氏は「若い女性議員が言っていますが、本当にあなたの実績ですか。違いますよ」と一蹴。菊田氏は「ここで負けたら死んでも死にきれない。権力に歯止めをかける。一緒に戦ってください」と力を込めた。【清水優】