文部科学省の前川喜平前事務次官は19日、自身が名古屋市立中で授業を行った経緯について、文科省が学校側に経緯を問い合わせていた問題で、代理人を通じてコメントを発表した。

 文科省の対応について「外部から何らかの強い政治的な働きかけがあったと思う」と指摘し、背景には政治の介入があったとの認識を示した。コメントは以下の通り。

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 2月16日に私が名古屋市八王子中学校で行った授業において、文部科学省から名古屋市教育委員会及び同校に対し、極めて詳細な質問状が送られてきたこと及び当該授業の録画等の提出を求められたことは、同校からの連絡で知りました。

 このような個別の学校の授業内容に対する国の直接的な介入は極めて異例であり、教育基本法が禁じている「不当な支配」に当たる可能性が高いと思います。

 文部科学省の求めに応じて録画などを提出することは悪しき前例をつくることにもなりかねないため、私の方から提出を控えるよう要請しました。

 文部科学省がこのようなことを自ら行うとは考えられないため、外部から何らかの強い政治的な働きかけがあったのだと思います。

 本来、教育に対する政治の不当な介入を阻む役割を負う文部科学省が、逆にそうした政治の介入に屈してしまったことは残念に思います。

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 この問題をめぐっては、地元の自民党衆院議員が同省に複数回、問い合わせていたことが発覚している。