オウム真理教による地下鉄サリン事件など一連の事件では、27人を殺害した罪が裁かれ、命を奪われた犠牲者は29人に上る。1995年に始まった裁判が23年を経て、今年1月に終結して初めての3月。執行への準備とみられる死刑囚の移送が始まった。

 公安調査庁によると、教団の後継団体「アレフ」「ひかりの輪」「山田らの集団」の3団体には、今も国内に約1650人、ロシアに約460人の計約2110人の信者がいて、資産総額は約9億1000万円に上る。新たな信者が増えていることについて、地下鉄サリン事件直前の95年2月28日に教団が起こした「公証役場事務長監禁致死事件」で父仮谷清志さん(当時68)を奪われた仮谷実さん(58)は「なぜ入るのか分かりませんが、驚いている」とした上で「事件は風化するが、消えてなくなることはない。一番は、教団がなくなるまで、観察処分を継続してもらうことだと思っている」と話した。