12日に開かれた2020年東京オリンピック・パラリンピック調整会議では、聖火台の設置場所について検討する委員会を立ち上げる方針を決めた。開閉会式、大会期間中、大会後にどの場所に置くかを組織委、東京都、国が議論する。組織委の武藤敏郎事務総長によると、開閉会式では競技場内に聖火台を設け、式典の点火、納火などを行うが、新国立の構造上の問題などを踏まえ、陸上などの競技が行われる大会期間中は、競技場の外に設置する可能性が高いという。

 実際、16年リオデジャネイロ大会では、マラカナンスタジアムで点火後、大会期間中は競技場から約5キロ離れた、多くの人が集まる海浜公園に設置された。布村副事務総長は「新国立のすぐ外かもしくは、近くではない場所も検討の範囲」と語った。聖火台のデザインは開閉会式の演出に深く関わるため、今夏に決まる演出家が検討する。

 また、64年東京五輪で使用された旧聖火台を来年5月以降、岩手、福島に巡回展示することも決まった。現在は宮城県石巻市に設置されている。その後は制作者の故郷である埼玉県川口市に移動し、修繕。最終的には新国立に展示する。