野田聖子総務相の事務所の秘書が今年1月末、金融庁から無登録営業の疑いで調査されていた仮想通貨関連会社の関係者を同席させた上で、金融庁の担当者から仮想通貨の販売規制に関する説明を受けていたことが19日、分かった。

 野田氏は取材に、秘書らが金融庁から説明を受けたことは認めた。一方で、説明内容については「一般的な説明」とし、「指摘されたような金融庁の調査への圧力には当たらない」と主張。

 秘書と同席した関係者は「秘書の知り合い」といい、金融庁が、同社に法令違反の疑いがあると通告していたことは知らなかったと説明。また、同社との間で政治献金を受けるなどの利害関係はないと述べた。

 金融庁は今年1月、無登録での営業が資金決済法に抵触している疑いがあると、同社に通告。秘書が金融庁に説明を求めたのは、通告が出た数日後だった。秘書は関係者を同席させて、議員会館で金融庁の担当者と面会。野田氏自身は同席していないという。

 関係者によると、この会社は昨年秋ごろから、独自の仮想通貨を販売。著名な芸能人が「広告塔」となり、投資家の関心を集めていた。この芸能人は「私の友人」(野田氏)という。

 金融庁は今年2月、仮想通貨の販売を中止するよう同社に行政指導している。野田氏は「無用な心配をかけた。今後はより一層慎重な対応を心がけたい」と述べたが、9月の自民党総裁選への出馬に強い意欲を示すさなかの疑惑浮上。党内では、総裁選への影響を懸念する声も出ている。