桜田義孝五輪相は5日の参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫参院議員から20年東京五輪(オリンピック)・パラリンピックの予算について質問されたが、聞かれるたびに事務方が「総掛かり体制」でレクチャーを行い、五輪担当大臣としての知識不足を、あらためて露呈した。

現在、V(version)3まで発表されている大会予算について問われた際、「1兆3500円」と、億の単位をこの日もとばして答弁(本来は1兆3500億円)。国の予算について問われたが、「全体像は組織委員会や、東京都が示すべきだ」として、従来同様、示さなかった。

蓮舫氏が「V予算とは」と問うと、自席で事務方にレクを受けた後で、「昨年12月に組織委が公表した。Vとは『バージョン』であります」と、不得手な英語で自信満々に答えると、委員会室から「おおお」「すごい」と、皮肉めいた称賛の声が。

蓮舫氏は思わず「Vをバージョンと言って、『おー』といわれるのはやめてくださいよ」と苦言を呈し、「しかもVではなく、(現時点では)V3です」と、桜田氏に逆レクチャーした。

桜田氏はその後も、「1500億円」を、3度も「1500円」と間違えて答え、自民党席からも誤りをただされ、「ごめんなさい」と陳謝。事務方が大臣答弁のために用意した膨大な資料を、とっかえひっかえ、手にしながら答弁を続けたが、「将来の予算額を示すのは困難だ」など、あいまいな答弁に終始した。

蓮舫氏が、組織委員会や東京都が万が一、支払えなくなった場合に政府が保障する措置があることを持ち出し、その内容を質問したが、桜田氏は答えられなかった。事務方からしばらくレクを受けて、ようやく答弁に立つ始末。明確に答えられない場面があまりに多く、野党席からは「これでは五輪が開ける気がしない」と、あきれた声も漏れた。

蓮舫氏も最後に「レガシー(遺産)を次の世代に負担として残さないためにも、この大臣では難しい」と指摘した。