実業家の堀江貴文氏(46)が15日、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。その質疑応答の中で出た、会社法違反(特別背任)などで起訴された日産前会長のカルロス・ゴーン被告に関する質問に答えた。堀江氏は「明らかに言えることは、新しく始まった司法取引制度を検察が使いたくて、その使いたい一番最初のでっかい案件として、日産から持ち込まれたカルロス・ゴーン氏の案件を使ったんだろうなと思います」と、一連の事件に関する私見を語った。

堀江氏は回答の冒頭で「僕は検察官じゃないので、彼の業務とか、実際にやったことに関しての情報はほとんど持っていないので、彼が本当に有罪なのか無罪なのか分かりません」と語った。

その上で、日本の司法取引制度について「欧米諸国の制度と大きく違うところは、主犯格の人は制度を使えないけれど、共犯の人は使える、片側だけの制度になっていること。非常に危険な制度」と指摘した。衆議院の法務委員会に証人として出席した際も、制度の導入に反対したという。

堀江氏は、ゴーン被告の現状について「ゴーンさんは、部下だった日産の方々から『ゴーンが全部、悪い』と言われ、他の方が逮捕も起訴もされない中、彼らの証言もうけ、司法取引を使っての妥協もできず一方的に追い込まれている」と自らの見解を語った。

ゴーン被告に関する一連の動きの、今後の見通しについて、堀江氏は「裁判が始まるのは、おそらく今年の末から来年にかけて…最初の判決が出るのに今から1年半から2年くらいかかるだろう。高裁、最高裁と争うでしょうから、これから7、8年はかかる」と語った。

その上で「全て無罪にならない限りは、かなり厳しい有罪判決が出るだろう…おそらく(懲役)5年はくだらないだろう。もし有罪判決を受けたとしたら、出てくるのは15年くらい先…彼は80歳近くになってしまうであろう。それまで気力が持つかどうか、人ごとながら心配ではあります」と、ゴーン被告のことをおもんぱかった。

この日の会見は、自ら出資、設立した北海道大樹町の宇宙開発ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」のロケット「MOMO(モモ)」3号機が、民間単独では日本で初めて宇宙空間とされる高度100 キロ を突破し「準軌道(サブオービタル)宇宙飛行」に成功した件についてのものだった。堀江氏は会見の冒頭で、日本外国特派員協会から、同協会で弁護団が会見を何度も行っている、ゴーン被告について語るようリクエストがあったと明かしていた。【村上幸将】