横浜市の林文子市長(73)が22日、カジノを含む統合リゾート(IR)の誘致を正式表明した。人口減、税収減、厳しい財政状況など「横浜の将来への危機感」を決断理由に挙げたが、林氏は2年前の市長選で「白紙」を掲げて再選しており、反対を訴える市民約40人が市長室前に駆けつけ、市役所は2時間にわたって大混乱した。23日にはカジノ反対派の「ハマのドン」藤木幸夫横浜港運協会会長(89)が会見する。

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政府のIR構想経緯と今後 18年7月成立のIR整備法は、立地区域を全国で最大3カ所とし、20年中に決まる見通し。立地区域には、25年に万博が開かれる大阪府・市が有力視されるほか、和歌山県、長崎県が誘致方針を表明。北海道・苫小牧市、愛知県、千葉市も検討を進める。東京都も旧築地市場跡地の再開発をめぐり、誘致“参戦”の可能性が指摘される。小池百合子知事は21日、誘致の是非には触れなかったが「東京都はIRを含め、研究を熱心に進めてきた蓄積がある」と含みを残した。

整備法は、日本人のカジノ入場回数を週3回、月10回までとし、入場料は6000円に設定。今年4月には入場制限などギャンブル依存症対策に関する基本計画も閣議決定されたが、実効性には疑問の声もある。政府は、誘致の申請期限や開業を認める区域の選定基準を盛り込んだ基本方針案を9月にも公表。一般からの意見公募を経て、来年初めごろに方針を決定する。