東京・渋谷駅前で12日夜、建設工事中のビルの上部に設置されたクレーンが壊れ、折れ曲がり、ぶら下がった状態になっているのが発見された。現場は、渋谷駅西口の宮益坂を上って1分程度と至近の、通行人や交通量も多い通りだ。この日は台風19号が関東地方を直撃し、東京都心でも午後9時14分に、歴代2位となる最大瞬間風速41・5メートルを観測しており、強風の影響で折れ曲がったとみられる。

近隣で働く人によると、午後9時過ぎにクレーンに異変が生じたもようで、現場の工事関係者が警察への通報などを行っていたという。そして同9時半くらいから、宮益坂には交通規制が敷かれ、車両も歩行者も通行が出来なくなった。付近を警備している関係者は「周囲の安全が確保されるまで、警備は続けます」などと状況を説明した。

午前0時を過ぎると、渋谷周辺は雨がやんだ。台風の通過後に、吹き返しの風が強いケースも少なくないが、風も穏やかになり、歩行者も傘をささずに歩くなど平穏を取り戻した。ぶら下がった状態になったクレーンにも、大きな揺れなどは見られなかった。

午前0時半過ぎには、警察車両が現場に入った。【村上幸将】