天皇陛下が内外に即位を宣言する「即位礼正殿の儀」が22日、皇居・宮殿で執り行われた。

陛下は、上皇さまの歩みに触れた上で「国民に寄り添いながら」象徴としてのつとめを果たすと誓った。

 

【即位礼正殿の儀の天皇陛下のおことば】さきに、日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに「即位礼正殿の儀」を行い、即位を内外に宣明いたします。上皇陛下が30年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御み心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し、ここに、国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。

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皇室ジャーナリスト・近重幸哉氏 天皇陛下のお言葉は、上皇、上皇后両陛下がなさってきたことを継承されていらっしゃると、ありがたく感じ取らせていただきました。上皇ご夫妻がなさってきた、喜びや悲しみを国民とともにする姿勢、世界平和を願うお気持ちです。

天皇陛下は沿道の方に心配りをされたり、自ら歩み寄られて話をされるなど、若いころから、国民の中に入っていく皇室を実践されてこられました。上皇ご夫妻が国民とともに歩まれてきたのと同じように、今日の「国民に寄り添い」というお言葉には、さらにもう1つ、親しみが込められていたように感じ取らせていただきました。

最近、皇后陛下はご公務でもリラックスされた表情を見せられることがありますが、今日は皇居にいらっしゃる際、かなり緊張されているように見えました。厳粛なお気持ちだったのでしょう。

15キログラムの十二単を着られて儀式に臨む際は、厳粛な面持ちでしっかりと歩まれていました。「即位礼正殿の儀」を終えられ、赤坂御所に戻られる際は柔らかい表情をされていました。ホッとされたと思います。