今年7月の参院選比例代表で初当選した、れいわ新選組の木村英子議員は5日、参院国交委員会で初の質問に立った。脳性まひで体がほとんど動かせない木村氏は、車いすで着席。秘書と介助者のサポートを受け、30分間の質疑に臨んだ。

冒頭、「障がい者が地域で当たり前に生活するには、まだバリアーが多い。まだまだ足りない合理的配慮を進めるため、障がい者の立場で質問します」と切り出し、「多機能トイレ」の改善点、災害時の障がい者への対応の2点にしぼり、政府の考えをただした。

木村氏がこだわったのはトイレの問題。「ずっと抱えながら生きてきた。早急に改善してほしい」との思いからだ。駅や施設の多機能トイレは、高齢者や子ども連れも利用可能な半面、車いすを使う障がい者が使いにくくなっていると指摘。「1つのトイレに多くの機能をまとめるのではなく、用途別につくるべきではないか」と訴えた。赤羽一嘉国交相は「貴重なご意見」と述べた上で、機能分散の取り組みを始めていると理解を求めた。木村氏は災害時の避難情報伝達の課題なども、今井絵理子内閣府政務官と質疑を行った。

木村氏は取材に「重度障がい者が委員会で話すのと、健常者の議員がどなたかの意見を話すのは(意味が)違う。支援してくれた多くの障がい者の現状の1つを発言した」と述べた。委員会は約5時間。「体力的には厳しいが、改善したい思いからがんばれた」と、振り返った。参院によると、障がいのため車いすと介助者が必要な議員の質疑は初。7日には同じれいわ新選組で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う舩後靖彦参院議員が文教科学委員会で初質問に立つ。