難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患うれいわ新選組の舩後靖彦参院議員は7日、参院文教科学委員会で当選後、萩生田光一文科相を相手に、初の質疑に臨んだ。パソコンの意思伝達装置による音声を使ったり、秘書の代読による質問も国会で初めてのことだ。

舩後氏は当選までの人生に触れた上で、消費税10%が教育現場に与える影響をただし、導入が見送られた民間に英語試験での、障がいがある学生への配慮を求めた。その上で、障がいの有無にかかわらず幼少時からともに学ぶ「インクルーシブ教育」の必要性を指摘。萩生田氏から「先生の思いをあらゆる機会で実現できるよう、取り組みたい」との答弁を引き出した。

初の取り組みだけに、課題も出た。質問は事前に作成したものを秘書が代読したが、答弁を受けた2度の再質問では、舩後氏の目の動きを介助者が文字盤で追い、新たな質問をその場で一から作成。この間、質問時間が減らないように各会派の了承を踏まえて委員長が議事進行を止めたが、最終的に、25分の持ち時間を20分オーバーした。

質問時間の厳守は、委員会の決まり事。舩後氏は終了後の取材に「20分も(時間が)超過し、委員の皆さまにご迷惑をお掛けした。反省している。今後改善したく思います」と述べた。初質問に立った感想は「ゆく川の 流れを変えて 新しき 海へと向かう 友らとともに」と短歌に託した。「れいわ-」では、重い障がいがある木村英子議員も5日の国交委員会で初質疑に立った。国会の景色を変える1歩だけに、手探りしながら進んでいくことになりそうだ。【中山知子】