安倍晋三首相は20日の参院本会議で、「桜を見る会」前日の「前夜祭」と呼ばれる夕食会をめぐり、15年分については、地元から募ったツアー参加者の宿泊先と、夕食会会場が異なることが発覚したことを受けて理由を問われ、「ホテルの事務的な手違いで会場が確保できず、別のホテルに変更した」と、釈明した。

前夜祭の会費は5000円という安さ。この価格設定が問題視される中、首相はこれまで、参加者の大多数がホテルの宿泊者という事情などを総合的に勘案し、ホテル側が設定した価格だと主張しており、宿泊先と夕食会会場が異なれば、5000円の根拠が崩れかねない矛盾が生じていた。

首相は「13年以降、夕食会会場は、利便性から多くの招待者が宿泊するところとしていた」と述べた上で、「15年に限っては、多くの参加者が宿泊することが予定されていたホテルにおいて、事務的な手違いにより会場が確保できないことが分かり、急きょ別のホテルに変更したという事情があったと聞いている」と主張。ホテル側との相談で、1人あたり5000円という価格設定になったと述べ「参加者が実費を払い、後援会の収入や支出はない」と強調した。

13年以降、夕食会は毎年開かれ、15年と17年以降の会場はホテルニューオータニ東京、他はANAインターコンチネンタルホテル東京。しかし15年のツアー参加者に配られた桜を見る会の注意文書には、宿泊先ホテルについて、夕食会が開かれたニューオータニは含まれていない。

一方、首相は参院本会議で、桜を見る会への招待者に関連し「私の事務所が内閣官房からの推薦依頼を受け、幅広く参加希望者を募ってきた。私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と、自身も意見を伝えていたことを認めた。ただ「最終的なとりまとめには一切かかわっていない」とも付け加えた。