大学入学共通テスト(20年度開始)に反対するシンポジウムが24日、東京・本郷の東大キャンパスで開催された。

中京大・大内裕和教授ら教育現場の有志でつくる「入試改革を考える会」がSNSなどで呼びかけたもので、10月に続いて2度目。国語と数学の一部に導入される記述式問題や、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価するために高校生活の活動を記録する「eポートフォリオ」などをテーマに、共通テストの中止を求めた。

国語の記述式については、私立高校の国語教師がスピーチ。文科省があらかじめ解答の文字数を決めていることについて「記述式は作問し模範解答をつくった上で、解答の文字数を決めるのが普通なのに逆」と指摘。プレテストの内容についても「方針ありきの問題や条件付けで、かえってテクニックで解ける問題になっている」と分析した。

数学の記述式については、予備校講師の吉田弘幸氏が「国語と異なり、数学は記述に15点が配点され、記述の評価を分離できない。合否に直結するため危険」と警告。「プレテストをみると、思考力、判断力、表現力は評価できず、メリットが全くない」などと断じた。

eポートフォリオについては、東大・中村高康教授が「調査書重視の方針は好ましくない。画一的、抑圧的になっていく」と懸念を示し、別の高校教師も「高校生が評価されるようなことをするようになる。危険だと思う」と指摘した。

中村氏はまた「批判が少なく、ようやく定着したセンター試験をなぜ変えるのか」「入試はシンプルに、これ以上受験生に負荷をかけないようにあるべきだと思う」などと主張した。

大内氏らは、共通テスト延期とセンター試験継続を求める署名活動を行っており、12月上旬に文科相に第2次分を提出予定という。