安倍晋三首相が12日の衆院予算委員会で、立憲民主党の辻元清美議員の質問終了後「意味のない質問だ」とやじをとばした問題で13日、首相が17日の同委員会で謝罪する見通しになった。

野党側が首相の謝罪と発言の撤回を求め、応じない場合は異例となる首相への懲罰動議提出の動きをみせていたが、自民党の森山裕国対委員長が立民の安住淳国対委員長に、17日の委員会冒頭で首相がやじ問題について見解を示すと伝達。野党側は懲罰動議提出を見送り、首相の発言を見極める方針に。ただ普段からなかなか謝罪しない首相が本当に謝るのか、野党側は疑心暗鬼の状態だ。明確な謝罪がなければ再び、懲罰動議提出に動く方針だ。

首相が野党議員をやじるのは、「器」や「品格」が問われかねない行為。与党内でも「国会議員の質問に、無意味なものなどない。総理ならこらえるべきだ」(関係者)と苦言もある。首相やじの影響でこの日の予算委は結局、流会に。17日の首相の発言に野党が納得しなければ予算案審議にも影響するため、与党側もハラハラしながら注視する。ただ首相はこの日の衆院本会議でも、塩対応。「桜を見る会」前夜祭の問題を野党に追及されたが、ほとんどが答弁書の棒読みにとどまった。