国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7000万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた学校法人「森友学園」の前理事長籠池泰典(本名・康博)被告(67)と妻諄子(本名・真美)被告(63)の判決公判が19日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれた。泰典被告に懲役5年の実刑判決、諄子被告に懲役3年・執行猶予5年(いずれも求刑懲役7年)を言い渡した。

起訴状によると、両被告は11~17年、大阪府豊中市の国有地で開校予定だった小学校の建設費を水増しし、国や大阪府などの補助金計約1億2000万円を詐取したなどとしている。両被告は「補助金詐取の共謀や故意はなかった」と無罪を主張していた。

午前10時の開廷前、大阪地裁前に姿を見せた泰典被告は、府市から詐取した補助金が弁済されていないとする検察側主張に誤りがあるとし、「論告求刑をやり直せ」と訴えた。諄子被告も「こんな不当な裁判もう嫌!」と泣き叫び、「これは、あんまりじゃないですか。人の命がかかっているのに!」と絶叫した。