日本災害医学会は22日、新型コロナウイルス対応で、中国・武漢からチャーター機で帰国した日本人など約800人や、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号内の乗客乗員約3700人への検疫に従事した医療関係者が、職場で不当な扱いを受けているとして、抗議する声明を発表した。

職場で「ばい菌」扱いされるなどのいじめを受けたり、子どもの保育園や幼稚園から登園の自粛を求められたほか、職場の管理者に現場で活動したことに謝罪を求められるなどのケースが、報告されているという。

同会は、現場で人命を救うために、自分の身を危険にさらして活動した医療従事者の存在がなければ「より多くの乗客・乗員が重症化し、人命が失われた可能性が高いことは想像に難くありません」と指摘。「当事者から悲鳴に近い悲しい報告が寄せられ、同じ医療者として看過できない」とした上で「人権問題ととらえるべき事態」として、抗議とともに、改善を求めたいとしている。