森雅子法相が26日の衆院予算委員会で、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長をめぐる立憲民主党の枝野幸男代表との質疑で、枝野氏の質問内容に疑問を呈し、棚橋泰文委員長にたしなめられる場面があった。

「与党寄り」の采配が指摘される棚橋氏ですら「適切ではない答弁があった」と指摘した森氏の発言は、政府が黒川氏の定年延長を認めるもとになった、法解釈変更をめぐる流れを記した枝野氏のパネルに対するもの。「シナリオではなく、ファクト(事実)の積み上げで議論をさせてもらいたい」と、まるで、パネルの信ぴょう性を疑うような発言だった。

委員会室は、野党の怒号で騒然となったが、枝野氏は「ファクトだけを集めた。ファクトだけを集めないと、与党に(パネルの持ち込みを)断られる」と、冷静に反論した。この後、答弁に立とうとする森氏に、棚橋氏は「冷静に答弁を」と、注文をつけた。

森氏と枝野氏は東北大法学部の同窓生で、ともに弁護士出身。