立憲民主党の枝野幸男代表は26日の衆院予算委員会で、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長が認められた背景に関して「総理に取り入る名人芸を持っているからか」と、声を荒らげて批判する場面があった。

枝野氏は、国家公務員の勤務延長が認められる要件の1つに「いわゆる名人芸的技能などを要する職務に従事し、その後の後継者がただちに得られない場合」とあることを引き合いに「何の名人芸か。総理に取り入る名人芸か」と、指摘。黒川氏は、首相に近いとされているが「官邸に近いといわれることの是非を問うつもりはないが、この方を検事総長に上げようとしているのは『桜を見る会』の捜査を防ごうとするためではないかと疑われている」と、主張した。

弁護士出身の枝野氏は「(司法試験に合格して進路に)検察官を選ぶ方のほとんどは、社会正義を実現したいから。権力の不正にメスを入れることができるという誇りが大きな理由だと思う」と述べた。その上で「こうした疑義を持たれるような人事を強行すれば、これから司法を目指す人、司法修習生、若手で現場で頑張っているみなさんが、検察まで権力に忖度(そんたく)するものかと思い、優秀な人間が検察にならなくなる」と訴えた。

最後は、安倍晋三首相に向かって「これは日本の司法制度の崩壊だ。こんなことをあなたはしている」と、語気を強めて批判した。