将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が29日、大阪市の関西将棋会館で指された第91期棋聖戦決勝トーナメント(T)1回戦で斎藤慎太郎八段(26)を93手で破り、準々決勝に進出した。

挑戦権獲得まであと3勝。屋敷伸之九段の持つ最年少タイトル挑戦記録(17歳10カ月)を更新するには今回の棋聖戦がラストチャンスとなる。

中盤にリードを広げ、落ち着いた指し回しで寄せきった。「中盤以降、一手一手が難しかった」と振り返った。決勝T初戦からいきなり強敵との対戦だった。そのルックスから「西の王子」と呼ばれる斎藤は元王座、来期の順位戦では最高峰のリーグ、A級昇級が決まっている。過去の両者の対戦成績は2勝2敗の五分だった。

タイトル戦登場の最年少記録について、「まだ意識する段階ではない。盤に集中することを一番にしたい」。負けられない戦いが続く。【松浦隆司】